平成30年度電力問8の問題と解答

 

 

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平成30年度電力問8の解答ポイント

  1. 本問は、公式を適用すれば比較的簡単な計算で済んでしまう問題である。
    ただし、条件が変更された場合に対応できるように、下述2と3及び4の状況を把握しておくことも大事なことである。
  2. 本解答の(2)式の意味を考える。
    本問の三相変圧器は「理想変圧器」であるので「変圧器のインピーダンスは無視」される。
    ゆえに、三相変圧器における電力損失[W]と無効電力[var]の発生がない。
    従って、三相変圧器の一次入力[V・A]と二次出力[V・A]は等しくなる。

    $$\sqrt{3}{V_1}{I_1}{=}\sqrt{3}{V_2}{I_2}$$

  3. 上式を「等式変形」すると、本解答(2)式となる。

    $$\frac{V_1}{V_2}{=}\frac{I_2}{I_1}$$

  4. 本問は「線路インピーダンスを無視」している。
    ゆえに、線路における電力損失[W]と無効電力[var]の発生がない。
    従って、三相変圧器の二次出力[V・A]がそのまま三相平衡負荷の電力[V・A]になる。
    さらにいえば、配電系統の供給電力[V・A]と三相平衡負荷の電力[V・A]も同じになる。
    なぜなら、線路と三相変圧器で電力損失[W]と無効電力[var]の発生がないからである。
  5. 三相交流回路の有効電力の公式

    $${P=}\sqrt{3}{VIcosθ}\quad [W]$$
    $$\begin{eqnarray}{P} &:& 三相有効電力[W]\\\\{V} &:& 線間電圧[V]\\\\{I} &:& 線電流[A]\\\\{cosθ} &:& 力率\end{eqnarray}$$

  6. 参考「計算問題ポイント集:電力系統」