交流回路の標準計算法「記号法」

1.記号法とは

交流回路における記号法(きごうほう)とは、直流回路における諸法則と定理・公式をそのまま適用して計算することができる計算方法をいう。

 

 

2.どうすれば直流回路と同じように計算できるのか?

交流回路の諸量を複素数変換することにより、直流回路における諸法則と定理をそのまま適用して計算することができるようになる。

 

 

3.交流回路で使用する文字記号①

  1. 交流回路の瞬時値式で使用する文字記号は小文字を使用する。
  2. 瞬時値式とは、時間経過に伴って変化する値を示す式のことである。

 

 

4.汎用性の高い式は日本語で覚えておくと便利

 

オームの法則を日本語で覚えたとする。

 

電圧=抵抗×電流

 

こうしておけば、慣例を無視して電圧にA、抵抗にB、電流にCの文字記号を当てたとしても混乱することはないのである。
下記のように様々な文字記号を必要に応じて柔軟に当てられることが分かる。

汎用性(はんようせい)とは、広く様々なことに利用できる性質をもつことをいう。

 

 

 

5.交流回路で使用する文字記号②

  1. 交流回路の複素数やベクトルで使用する文字記号は、大文字の上部に点(ドット)を付けたものを使用する。
  2. 複素数の絶対値(大きさ)やベクトルの長さ(大きさ)を表す文字記号
  3. 複素数の共役複素数を表す文字記号
  4. 電気工学では虚数単位はiではなくjを当てている。
  5. 角周波数[rad/s]の文字記号はω(オメガ)が当てられている。
  6. 自然数2.71828……の文字記号はε(イプシロン)が当てられている。
  7. 時間の文字記号はtが当てられている。
  8. 位相・初期位相・位相差の文字記号はθ・Φ(シータ・ファイ)が当てられている。
    δ(デルタ)の記号がときどき当てられることがある。

 

 

6.複素数の一般式

複素数は汎用性があるので日本語で覚えておき、状況に応じて文字記号を当てはめよう。

 

 

7.オイラーの公式

オイラーの公式とは指数関数と三角関数を結びつけた式であり、数学・電気工学・物理工学などで欠くことのできない公式である。

オイラー似顔絵:引用元画像(キリヌケ成層圏)作者名(加藤タカシ)

 

  1. Φに正負の値を持たせた場合のオイラーの公式の表記

  2. Φに負の値を持たせない場合のオイラーの公式の表記

 

 

8.複素数から瞬時値への復元


記号法による交流回路計算の結果から、必要に応じて瞬時値式を復元することができる。

 

 

最後に交流回路計算は調理のような「二面性」があることを知っておこう

  1. 調理法が曖昧でも何となく調理(計算)できる交流回路の状況がある。

    該当問題:平成22年度第二種電気工事士筆記試験問4
  2. 調理法を理解していないと調理(計算)できない交流回路の状況がある。

    該当問題:平成30年度理論問8