非正弦波交流(ひずみ波交流)の実効値と電力の公式を暗記しよう!

正弦波交流以外の交流を非正弦波交流(ひずみ波交流)という。

 

 

 

1.非正弦波交流の瞬時値式

非正弦波交流の瞬時値式は、「直流分」と「いくつかの周波数の成分に仕分けした正弦波」の合成式で表記できることが数学的に分かっている。

②の基本波は最も低い周波数成分を持つ正弦波交流である。

③の高調波は基本波の周波数の2倍・3倍・4倍…N倍の成分を持つ正弦波交流である。

 

 

2.非正弦波交流と重ね合わせの定理

非正弦波交流を取り扱う電気回路は、重ね合わせの定理を利用して、「①直流分」「②基本波」「③高調波」の回路に仕分けて考える。

 

① 重ね合わせの定理による「①直流分」の回路

図Aの回路の「①直流分」の回路

 

② 重ね合わせの定理による「②基本波」の回路

図Aの回路の「②基本波」の回路

 

③ 重ね合わせの定理による「③高調波」の回路

図Aの回路の「③高調波」の回路

 

 

3.非正弦波交流の電力の公式

非正弦波交流の電気回路の電力は、「①直流分の電力」「②基本波の電力」「③高調波の電力」を単純に足し合わせればよい。

 

図Aの回路であれば下式のように表すことができる。

 

 

4.非正弦波交流の実効値の公式

非正弦波交流の電気回路の実効値は、「①直流分の二乗」「②基本波の実効値の二乗」「③高調波の実効値の二乗」の和の平方根となる。

 

図Aの回路の非正弦波交流の電圧e[V]の実効値E[V]であれば下式のように表すことができる。

 

図Aの回路の非正弦波交流の電流i[A]の実効値I[A]であれば下式のように表すことができる。

 

 

 

5.非正弦波交流の各種公式のまとめ

非正弦波交流の各種公式は「文字式」で覚えようとすると非常に煩雑な式になってしまう。
そこで「日本語の式」で覚えておき、電験三種の問題の状況に応じて適切な文字記号を当てるのがより「実践的な方法」といえる。

 

非正弦波交流の瞬時値式の公式

 

非正弦波交流の実効値の公式

 

非正弦波交流の電力の公式

 

 

 

関連事項ピックアップ