直流回路のスイッチを入れた瞬間とその後のコイルとコンデンサの振る舞い

直流回路のコイルとコンデンサの基本的な振る舞いを知ることにより、電験三種の問題に対応できるようにする。

 

 

1.過渡状態と定常状態

過渡現象とは、ある定常状態から別の定常状態に至るまでに起きる現象を言う。
定常状態に至るまでの不安定な状態が過渡状態である。

定常状態とは、ある安定した状態のことをいう。

 

 

2.直流回路のコイルのふるまい

① スイッチを入れた瞬間のコイルのふるまい(過渡状態の開始)

コイルに電源電圧相当の電圧が発生するので、コイルに電流は流れず開放状態と見なすことができる。

 

② スイッチを入れた後のコイルのふるまい(過渡状態の途中)

コイルに発生する電圧は時間の経過と共に徐々に小さくなっていき、コイルに流れる電流は大きくなっていく。

 

 

③ スイッチを入れて十分に時間が経過した後のコイルのふるまい(定常状態に至る)

コイルに電圧が発生しなくなるので、コイルは短絡状態と見なすことができる。

 

 

3.直流回路のコンデンサのふるまい

コンデンサの初期電荷はないものとして考える。

① スイッチを入れた瞬間のコンデンサのふるまい(過渡状態の開始)

コンデンサには電圧が発生しておらず、電荷を蓄えようとして電流が流れるので短絡状態と見なすことができる。

 

② スイッチを入れた後のコンデンサのふるまい(過渡状態の途中)

コンデンサに発生する電圧は時間の経過と共に徐々に大きくなっていき、コンデンサに流れる電流は小さくなっていく。

 

 

③ スイッチを入れて十分に時間が経過した後のコンデンサのふるまい(定常状態に至る)

コンデンサに発生する電圧は電源電圧相当になるので、コンデンサに電流が流れなくなるので開放状態と見なすことができる。

 

 

 

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