磁界の強さ

このページで記載している磁界の強さの公式は、ビオ・サバールの法則とアンペア周回積分の法則から導かれた結果である。
つまり、ある限定された状況下における磁界の強さの式ということになる。

全ての状況下における磁界の強さは、ビオ・サバールの法則とアンペア周回積分の法則から求めることができるが、微分積分の過程を要する。
仮に微分積分を理解していたとしても、いちいち、原典の法則から導出するのは面倒である。

ゆえに、限定された重要な状況下における磁界の強さを公式化して、それらを適宜適用することになる。

 

 

1. 磁界の強さの基礎知識

  1. 磁界(じかい)とは、磁気的影響が及ぶ空間をいう。

  2. 空間Aに磁極を配置したら、クーロン力が発生した
    この空間Aは磁界である。


  3. 空間Bに磁極を配置しても、クーロン力は発生しなかった
    この空間Bは磁界ではない。



  4. 磁界の強さとは、磁気的影響力の大きさを表すものである。
    つまり、磁界の強さが大きくなればなるほど、空間Aに配置した磁極に働くクーロン力は大きくなる。



  5. 右ねじの法則は、電流と磁界の方向に関する法則であったが、磁界の強さの各種公式は、電流と磁界の強さの量的関係を示すものである。

  6. 磁界の強さH[A/m]を磁界H[A/m]と略記することがある。

  7. 紙面上の方向を表す記号


  8. [A]の単位は、「アンペア」と読む。

 

2. 無限長直線導体に流れる電流による磁界の強さの公式

上式(1)は、直線導体が無限長でなくても十分に長ければ適用することができる

 

3. 円形コイルに流れる電流による中心の磁界の強さの公式

ここで、円形コイルの巻数が1ではなくN回であれば、下式(3)で表すことができる。

上式(2)と(3)は、円形コイルの中心の磁界の強さ公式であることを忘れないようにすること。
中心から離れた場所では、磁界の強さが変わってくる。

 

4. 環状ソレノイドの導体に流れる電流による中心の磁界の強さの公式

ソレノイドとは「筒状」という意味があるので、環状ソレノイドとは、円筒状の形ということになる。
写真と合わせて、環状ソレノイドの形状を立体で把握すること。

上式(4)は、環状ソレノイド内の中心円周上の磁界の強さの式であるが、環状ソレソイド内の磁界の強さの式として適用することがある。

 

5. 無限長ソレノイドの導体に流れる電流によるソレノイド内の磁界の強さの公式

無限長ソレノイドの巻数nは単位長さ当たり、つまり1[m]当たりの巻数n[回/m]であることに注意すること。

上式(5)は、無限長ソレノイド内であれば、どの場所でも成立する。
また、無限長のソレノイドでなくても十分に長ければ適用することができる

 

例題1

下図のような十分に長い直線上導体に電流3.14[A]を流した。
この電流による点Pの磁界の強さ[A/m]を求めて、点Pの磁界の方向を分かるように図示せよ。
ただし、円周率π=3.14とする。

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例題2

下図のように10回巻いた半径2[cm]の円形コイルに電流を流したところ、中心の磁界の強さは1[A/m]であった。
このときの、円形コイルに流した電流[mA]の値を求めよ。

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例題3

下図のような巻数N回、電流I[A]、平均半径r[m]の環状ソレノイドがある。
この状態から、環状ソレノイドの中心の磁界の強さHを変えずに導線に流す電流を半分にするためには、巻数を何回にすればよいか答えなさい。

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例題4

下図のような10[m]当たりの巻数が10000回の無限長ソレノイドがある。
導線に3[mA]の電流を流したときの、無限長ソレノイド内の磁界の強さ[A/m]を求めよ。

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