令和元年度理論問1の問題と解答

 

 

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令和元年度理論問1の解答ポイント

  1. 点電荷に関する電位の公式を適用して、点PーA間、点AーB間の距離が変化することを考慮した、点Aと点Bの電位VA[V]とVB[V]の式を立てる。
  2. 電位差VABの式は「VA-VB」である。
    令和元年度理論問5でも電位差(電圧)を求めているが同じことである。
    電気回路内であっても空間中であっても電位差(電圧)の考え方は同じである。
  3. ある二点間の電位の差が電圧(電位差)である。
    電気回路内であろうが空間中であろうがこの定義は変わらない。
  4. 点電荷に関する電位の公式

    $${V_r=}\frac{Q}{4πε_0ε_rr}\quad [V]$$
    $$\begin{eqnarray}{V_r} &:& 点電荷から距離r[m]の点の電位[V]\\\\{ε_0} &:& 真空誘電率[F/m]\\\\{ε_r} &:& 比誘電率(真空の場合は1)\\\\{r} &:& 点電荷からの距離[m]\\\\{Q} &:& 電荷[C]\end{eqnarray}$$

  5. 点電荷に関する電位の公式の電荷Q[C]は正負の値を持たせていることに注意する。
  6. 下式の静電気に関するクーロンの法則の電荷Q1[C]とQ2[C]は正負の値を持たせていない
    ±Q1[C]、±Q2[C]と考えて公式を組み立てている。

    $${F=}\frac{Q_1Q_2}{4πε_0ε_rr^2}\quad [N]$$


  7. 本問で電位差VABの絶対値|VAB|を取っているのは、点Pに置く点電荷Q[C]が正電荷(Q>0)でも負電荷(Q<0)でも同じ結果にするためである。
  8. 仮にQ(Q>0)[C]の正電荷を点Pに置いた場合は、電位VA>VBの関係になる。
    よって、電位差VAB=VA-VBの値は「正の値」になる。
  9. 仮にQ(Q<0)[C]の負電荷を点Pに置いた場合は、電位VA<VBの関係になる。
    よって、電位差VAB=VA-VBの値は「負の値」になる。
  10. 電位差VABの絶対値|VAB|を取っておけば、上述8と9のいずれの場合でも同じ結果にすることができる。
  11. 本問は点Pに置いている電荷が正電荷(Q>0)と断言していないところに嫌らしさがある。