令和元年度理論問1の問題と解答
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令和元年度理論問1の解答ポイント
- 点電荷に関する電位の公式を適用して、点PーA間、点AーB間の距離が変化することを考慮した、点Aと点Bの電位VA[V]とVB[V]の式を立てる。
- 電位差VABの式は「VA-VB」である。
令和元年度理論問5でも電位差(電圧)を求めているが同じことである。
電気回路内であっても空間中であっても電位差(電圧)の考え方は同じである。
- ある二点間の電位の差が電圧(電位差)である。
電気回路内であろうが空間中であろうがこの定義は変わらない。
- 点電荷に関する電位の公式
$${V_r=}\frac{Q}{4πε_0ε_rr}\quad [V]$$
$$\begin{eqnarray}{V_r} &:& 点電荷から距離r[m]の点の電位[V]\\\\{ε_0} &:& 真空誘電率[F/m]\\\\{ε_r} &:& 比誘電率(真空の場合は1)\\\\{r} &:& 点電荷からの距離[m]\\\\{Q} &:& 電荷[C]\end{eqnarray}$$
- 点電荷に関する電位の公式の電荷Q[C]は正負の値を持たせていることに注意する。
- 下式の静電気に関するクーロンの法則の電荷Q1[C]とQ2[C]は正負の値を持たせていない。
±Q1[C]、±Q2[C]と考えて公式を組み立てている。
$${F=}\frac{Q_1Q_2}{4πε_0ε_rr^2}\quad [N]$$
- 本問で電位差VABの絶対値|VAB|を取っているのは、点Pに置く点電荷Q[C]が正電荷(Q>0)でも負電荷(Q<0)でも同じ結果にするためである。
- 仮にQ(Q>0)[C]の正電荷を点Pに置いた場合は、電位VA>VBの関係になる。
よって、電位差VAB=VA-VBの値は「正の値」になる。
- 仮にQ(Q<0)[C]の負電荷を点Pに置いた場合は、電位VA<VBの関係になる。
よって、電位差VAB=VA-VBの値は「負の値」になる。
- 電位差VABの絶対値|VAB|を取っておけば、上述8と9のいずれの場合でも同じ結果にすることができる。
- 本問は点Pに置いている電荷が正電荷(Q>0)と断言していないところに嫌らしさがある。