水力発電所の出力

水力発電所は、下図のように、水が高い所にある場合に保有する①「位置エネルギー」を水車で②「回転エネルギー」に変換した後に、発電機で③「電気エネルギー」に変換している。

 

 

水力発電に限らず、エネルギーの変換を行うときには必ず損失が発生する
簡単にいうと、①で100のエネルギーがあっても、③では80程度のエネルギーになるので、100-80=20が損失ということになる。
エネルギー保存の法則から、損失分のエネルギーは無くなってしまうのではなく、取り出せなかっただけで、自然界にエネルギーとして存在している。

 

 

1. 力学の基礎知識

  1. とは、物体を加速させうる源である。

  2. 仕事とは、力によって物体に成し得た評価量である。

  3. 仕事率とは、単位時間当たりの仕事である。

  4. 力[N]=質量[kg]×加速度[m/s2]
  5. 仕事[J]=力[N]×距離[m]
  6. 仕事率[J/s]=仕事[J]/時間[s]
  7. 電気の仕事率(電力の単位は)は、[W]=[J/s]を用いる。

  8. 高い位置にある物体は、仕事をする潜在的なエネルギー秘めており、これを位置エネルギーと呼んでいる。

  9. 地球の表面近くの重力加速度は、g=9.8[m/s2]である。

  10. 基準面から高さH0[m]にある物体m[kg]に働く力はmg[N]であるので、この物体が保有する位置エネルギーは、mgH0[J]となる。


  11. [kg]の単位は、「キログラム」と読む。
  12. [N]の単位は、「ニュートン」と読む。
  13. [J]の単位は、「ジュール」と読む。
  14. [W]の単位は、「ワット」と読む。
  15. ηの記号は、「イータ」と読む。

 

2. 水力発電所の出力公式

上図1の水力発電所の概略図から、水車への理論水力Pは、下式(1)で表すことができる。
※後述3を参照

水車出力Ptは、上式(1)に水車効率ηtをかければよいので、下式(2)となる。

発電機出力Pg(発電所出力)は、上式(2)に発電機効率ηgをかければよいので、下式(3)となる。

 

3. 理論水力

図1の①で水m[kg]の保有する位置エネルギーは、mgH0[J]であるが、流水が水車に到達するまでに、水圧管との摩擦によるエネルギー損失が発生する。
損失落差をh[m]とすれば、有効落差は、H=H0-h[m]となるので、水車には、mgH[J]のエネルギーを与えることになる。

よって、T秒間にV[m3]の流水を水車に供給する場合の理論水力P[kW]=P[kJ/s]は、水の密度をρ=1000[kg/m3]とすれば、下式(4)で表すことができる。

 

4. 水力発電所の動画(YouTubeより引用)

 

例題

総落差250[m]、損失落差10[m]の水力発電所がある。
この発電所の使用流量を25[m3/s]とした場合の理論水力[kW]、水車出力[kW]、発電機出力[kW]を求めよ。
ただし、水車効率と発電機効率は共に90[%]であるものとする。

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